家業を継ぎだした頃、
僕たち一家を最も悩ませていたのは、
いわゆるマチ金でした。

本当に怖かった･･･。

ああいうところからお金を借りて、
もし返せなかったら、
僕たちはどうなるのか･･･。

支払日の前日になっても、
全くメドがつかない日も、
一度や二度ではありませんでした。

怖くて眠れない夜もありました。

この頃世話になっていたマチ金屋さんは、
２社ありました。

１社当たり100万円とか200万円だったと思います。

契約時に手付金を支払い、
なおかつ利息も結構な額でした。

１社あたり毎月20万円か30万円ずつ返済していました。

２ヶ月か３ヶ月で半分返済しては、
新たな借金枠が半分でき、
また借りて枠がいっぱいになり･･･。

ずっと繰り返していました。

そんなところからお金を借りてはいけないのは、
誰でもわかります。

僕たちにもわかっているのです。

それでも借りなければ生活できない。

わかってても借りるしかなかったのです。

むしろ、
お金を持っている人にはわからないことなのです。

本当に辛かったです。

僕の職人としての稼ぎも、
本当に微々たるものだったと思います。

しかし、
妻も薬剤師のパートで稼ぎ、
妹もケーキ職人として稼ぎ･･･。

みんなの収入をかき集めて、
日々を過ごしていました。

ただ支払う日々を過ごしてきました･･･。

おそらく借金総額は、
1,000万円を軽く超えていたに違いありません。

これだけの額となると、
いくら返済しても、
元金が減るわけがありませんでした。

利息のみをただひたすら支払い、
じっと下を向いて我慢していたのでした。

今回はこのへんにしておきます。



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次回、
＜マチ金との戦い〈前〉２＞
へ続きます。